過去のこと
書きたいので書く。
私はどれだけの優しさに包まれてきたのだろう。
そしてその優しさを、どれだけ蔑ろにしてきたのだろう。
私は、自分こそが正しいと思っていた。周りのクラスメイトなんてみんな馬鹿で、私を理解してくれる人はこの世にほんの一握りなんだと思っていた。
だから、全部全部 適当だった。
友達に心の底から向き合ったことなんてなかった。
彼女たちは、私にあれほどのあたたかな言葉を贈ってくれていたのに。
今になってやっと気が付いた。
私はどれだけ、浅はかだったんだろう。
手元にある沢山の手紙の束。この言葉たちには、温度がある。
小学生の、必死で、前向きな、私を想ってくれている、温度がある。
そのことに、気が付かなかった。
「ガンバレ」なんて、「ガンバレ」という言葉しか彼女らは知らないからそう書いただけなのだと思っていた。
だから、頑張れなくなった中学生の私は、こう返した。「もう頑張れないよ」。
今見つけた手紙には「ガンバルな!」とあった。
あぁ、知らなかったよ。頑張るなって言ってくれる友達がいたなんて、私は知らなかったよ。
きっと当時は、この友達の言葉を、言葉として受け取っていなかった。
何が「小説家になりたい」だよ、バーカ。
どうやって、伝えたらよいのだろう。
私は、彼女たちに会えるのか?