東京は星が見えないって本当ですか?

 

ここはNEWSも嵐もいる東京だ。

この光の中にみんなみんないる。私を救ってくれた人たちがみんないる。テレビの中の人たちが、テレビを作っている人たちが、みんないる。星が見えなくても私を救ってくれた人たちがいるんだよ。
私もここでできることがたくさんたくさんあるはずなんだ。だから頑張りたい。


鳩の鳴き声、小鳥の鳴き声、木の葉が揺れる音 、風、山の匂い、海の匂い、市民球場から流れる応援歌、エフコープの音楽、子供たちの笑い声、泣き声、午前と午後6時に鳴るお寺の鐘の音。


それらが一切聞こえなくても東京には沢山あるはずなんだ何かが。何かがあるはずなんだ。それを求めて私はやってきたんだよ。

 

星ひとつ見えない明るい夜空の中で、月だけが、まんまるな月だけが、こちらを向いている。27日が満月らしい。
月が見える。この部屋の椅子から。マンションの上に月が見える。黄色と白の真ん中のような決して人工の色ではない光を四方に広げている。


月ってどこからでも見えるんだよね。例えばあの町の予備校からでも月って見えるんだよね。ねぇ。あの町からだったら星も一緒にいっぱい見れたのかな。

月が綺麗だよって言える相手が欲しい。

いや、君に言いたい。今日は月が綺麗だよって君に言いたい。

 

言えないからインターネットの海に流します。

今晩は、月が綺麗です。

気付いてくれたあなたへ。ありがとう。